A Passion for Asia

この7月から日経CNBCで一部、番組担当などの変更があり、私は「ASIAエクスプレス」を担当する事になりました。
この新体制は私にとっても、大変意義のあるものになりそうです。
というのも、アジアという地域の熱気や成長力に、私自身、大変興味と興奮を感じているからにほかなりません。
言うまでもなく、アジアといえば、今、世界で一番熱い地域。
確かに、今、海外を見渡して、このアジアが放つエネルギーは、他のどの地域にも勝る強さを持っています。
私自身が実際に、見て、感じてきた中でも、やはり一番強烈に印象に残っているのは、アジア、その中でも、中国と韓国です。
そこで、自分の目で見た社会と、経済、人々に私は言葉を失いました。
そこにいる誰もが、国が豊かになっていく事に、自分自身の夢や成功を重ね合わせ、希望に満ち溢れている。
国自体が大きな躍動感と方向性をもって動き出し、世界の経済をも動かしている。
ニュースなどで既に知っていた筈の隣国からのダイナミズムは、想像をはるかに超える現実的な力となって、私を呑みこみました。
そして、それは同時に、自国への危機感となって私の心に重く圧し掛かったのです。
私が見た、それらの国・地域には、「夢」がありました。「希望」がありました。
そして、今に決して妥協することなく、上へ上へと向かう、気迫ともとれる「志」と「情熱」があります。
もしかすると、かつての日本がそうだったのかもしれません。
私がアジアにここまで魅了されるのは、その反対極にいるような感覚に陥る現在だからこそ、我が国で味わえないこの高揚感を他国のエネルギーを通して、味わいたいだけなのかもしれません。
このアジアの情熱を、番組を通し、多くの方々にお送りしたい。
日本もアジアから学べる事があるのなら、大いに吸収していくべきだと思いますし、同時に、日本の良さを今こそ、アジアに再認識してもらう必要があると思うのです。
この「ASIAエクスプレス」を通じて、同じアジアの国として、日本が少しでもかつての活力を取り戻せるようなお手伝いがしたいと思いますし、ささやかながらもアジアの懸け橋となれるような、実のある番組にしていきたい。心からそう思っています。